伊達 近世アイヌ文化期の住居跡発見



これは今年9月17日に新聞に掲載された記事。
伊達市向有珠町のカムイタプコプ下遺跡で発掘されたらしい。
17世紀頃の近世アイヌの住居跡(チセ)の発見は、噴火湾
沿岸地域では初めてのことなのだという。


発掘はその他、墓2基、畑の跡、それに1640年の駒ケ岳噴火の
際の津波の痕跡なども見つかっているそうだ。その津波
内陸200mまで押し寄せたらしい。


大地とはなんと様々な情報を持っていることか。住まう地にも
実は数多くのことが既に刻まれている。






礼文島での国際考古学調査


    


「文島での国際考古学調査」今年10月初めの新聞に掲載されたもの。
イカル・北海道考古学プロジェクト(BHAP)なるものが、文化の
クロスロードである礼文島を舞台に7年を掛けて調査するらしい。


北方圏に展開した狩猟採取民社会の、最終氷河期以降の変動する
地球環境への適応行動、文化的多様性の形成過程の解明を目指す
のだという。実に興味深い取り組み。




       

礼文北方民族資料館で見た「熊像」を思い出した。






「北海道・博物館と人」 亀谷隆著  〜新聞記事より


 「北海道・博物館と人」 
 博物館を支えた二十人の生涯 亀谷隆 著



北海道博物館協会様のHPに案内があった。
http://www.hokkaido-museum-society.net/archives/1490871.html


道内には博物館や郷土資料館、動物園など
主なものだけで300ほどもあるのだそうだ。





博物館を巡るようになってここ数年、公私を問わず数十を観ている。大切にされているところもあれば、
そうではないところもある。何十年も展示の変わってなさそうなホコリの積もる博物館も少なくはない。


印象深い博物館は網走市立郷土博物館だろうか。古い建物、古くからの展示、時が止まったかのように
全てが古びても見える。けれど、その丁寧な案内は全てを新鮮に蘇らせてしまうほど生き生きとしていた。
携わった人達の想いや製作する際の息遣いを今でも伝えてくれる温かい場所であったと記憶している。


博物館について思うようになったキッカケでもある。この本、興味深いな。






「アイヌモシリ・北海道の民衆史」 杉山四郎著  〜新聞記事より


 アイヌモシリ・北海道の民衆史」
−人権回復を目指した碑を訪ねる   杉山四郎著


2011年09月02日 第14回日本自費出版文化賞 大賞
・ ・ ・ 検索すると受賞の記事が出てきた。


「道内各地には数多くの碑がある。建てられた時代も
内容も様々だが、それらは歴史的な出来事を後の
世の人が回顧し、それを自分たちの励みとしたり、
そこから得られた教訓を将来への伝言としたりする
ために建立されたのだ。だから碑を見れば、私たちが
今何をすればよいのかが見えてくるのである。」


30年間で調査した碑は300になるそうだ。
アイヌモシリ→蝦夷地→北海道に至る歴史の流れは
偏見・差別の歴史であり、人権回復の歴史であると。







碑とは少々堅苦しい印象がある。ただ、何かしら出会い、気になることもある。
思いがけず松浦武四郎の足跡が記されたものであったりしたことがあったっけ。
意外と知らない、知るべき跡が残されているのかもしれない。







縄文海進   新聞記事より


 縄文の頃を眺めると気付くことがある。
 それは海岸線の位置が今と違うということ。
 貝塚が内陸にあるなど不思議なことは多い。


 現在よりも数度気温が高かったとされる当時、
 海岸線は今よりもずっと内陸にあったらしい。


 気温が高く氷が溶け海水が増えたのだと思って
 いたのだけれど、そう単純でもないようだ。


 「アイソスタシー」マントルに浮く陸地や海は、
 その重さに比例してバランスを計るらしい。


 温暖化により氷河が溶け、軽くなった大地が隆起、
 海水の増えた海、海底が逆に沈むのだという。






人類が経験するこの1万年において、地球の運動を実感する壮大な事象が「縄文海進」と言えそうだ。







白滝遺跡出土品が国の重要文化財に指定   新聞記事より。


    

今年3月の新聞に掲載された「白滝遺跡出土品が国の重要文化財に指定」という記事。
点数1858点もだそうだ。7月にオープンした遠軽町埋蔵文化財センター(旧白滝村)を
訪ねると、展示室一室がその重文らしきで埋め尽くされている。石、石、石 ・ ・ ・




この記事の写真にある石器に見覚えがあった。
江別にある埋蔵文化財センターで見たものだ。
スケッチしたものだったので、直ぐに気付く。
美しいかどうかは別として、とにかくデカイ。
その立派な姿は興味を引くに十分な存在感だ。


展示されているのはレプリカ。レプリカは2つ
あり、もう一つは国立博物館にあるのだという。


本物は白滝に在る。レプリカとは違う本物の
黒曜石は、赤みの混じる綺麗な石だった。







近況

なかなか更新しないブログになってしまっているけれど、
それなりに博物は続けている。観るだけはとりあえず。






苫小牧の博物館を2度訪ね、一度は静川遺跡まで足を伸ばしてみた。
白滝は3度も訪ねてしまった。新しい埋蔵文化財センターをゆっくり観る事が出来た。
常呂の遺跡は2度訪ね、かなり蚊に刺された。
美幌の博物館にも行っている。なぜかジャコメッティに会えたし。
網走では閉館されたジャッカドフニをちらりと訪ねてみたりもした。
森の遺跡発掘調査事務所にも行った。
森に寄ったついでに鷲ノ木のストーンサークルも観た。養生が取れ、石が見られる。
先日は千歳に行った際に寄り道し、秋のキウス周堤墓群を見てくる。






博物では観るものが多すぎてスケッチはなかなか進まない。
けれど、写真だけはたくさんある。
整理してからと考え出すと更新が滞ってしまう。






キウスはあまりに巨大なので広角レンズでもなかなか撮り切れない。
先日、千歳に行った際の寄り道で。秋のキウスも良い。
力強く、知的で、神秘的でもある。

以前撮った写真を何枚かを貼り合せたものが画像はお気に入り。
これは夏のキウス。どちらも第1号と呼ばれているもの。
第一号は小ぶりで状態も良く好みだ。小ぶりと言っても直径は40近くありそうだ。




冬はきっとどこかを訪ねても開拓記念館か江別の埋蔵文化財センターあたりだと思う。
本当は過去にみたものも整理したいのだけれど、今年見たものだけでも冬の間に ・ ・ ・