人面付環状土器 茂辺地式


久しぶりに北海道開拓記念館を訪ねた。石器つくり体験以来となった。


開拓記念館ではたくさんのスケッチをしている。整理し掲載したいと
思っている。思っているのだけれど、なかなか書き出せず。


この日は気になっていたこの土器を描く。環状土器は長沼出土のもの、
埋蔵文化財センターで見たものが特に印象的なのだけれど、こちらは
もう少し整った形にみえる。


大きな目、彫りの深い顔立ちの人面が付く。おまけに見える一体は体も
描かれていた。全体の縄文の文様はカリンバあたりで出土する土器のような
緻密さではなく、入江式のような具合で大胆だ。


縄文後期の北斗市茂辺地から出土したこの土器はグラマラスでかなり大胆な
表情を持つにも関わらずプロポーションが良く、とても印象的だ。


その環状の具合を考えると、常用の道具とも思われない。それとも、高級な
ブランディーの芸の細かい容器のように、特別なお酒でも入れて楽しんだのか?
または良く聞く精神文化の目覚め、シャーマンに関わるものなのだろうか。



描いてみて、そのプロポーションを決定付けているのは脚部ではないかと
感じていた。ヴォリューム感のあるプロポーションは思いの他小さな台座で
立たされている。環状というだけでも難しいだろうに、この脚で立たせるとは
相当な精度で土器を作製したいたのではないだろうか。


それとも当時、このくらいは誰でも作りえたのだろうか。



今回はスケッチに色を付けてみた。
参考に長沼の異形環状式土器を。