スケッチ

人面付環状土器 茂辺地式

久しぶりに北海道開拓記念館を訪ねた。石器つくり体験以来となった。 開拓記念館ではたくさんのスケッチをしている。整理し掲載したいと 思っている。思っているのだけれど、なかなか書き出せず。 この日は気になっていたこの土器を描く。環状土器は長沼出土…

北海道埋蔵文化財センター 【091115】 石刃鏃つながりで。

これは江別の北海道埋蔵文化財センターに常設されている石器。 ピリカの尖頭器ほど惚れ惚れするカタチではないけれど、その 大きさは驚く。旧石器時代の白滝(8遺跡)黒曜石の石器。 石刃鏃文化の一品なのだろう。描いていても夢中にさせてくれる 迫力の石…

女満別石刃鏃遺跡出土の遺物 vol6

常呂型ナイフと呼ぶらしい。石刃鏃の石器、その特徴的なものの一つか。 やはり、石刃から手数を掛けずに製作されている。程よくカーブを描く刃は おそらく石刃のまま。それ自身が見事な刃物になっている。これまで見た 石器の中でも最も切れそうな正に刃物だ…

女満別石刃鏃遺跡出土の遺物 vol5

石器のスケッチを試みる。石核同様まるで、ガラスを描いているみたいだ。 右下のように両面から加工された鏃も類もあるけれど、やはり、あの整った 石核から剥離した石刃を手数を欠けずに加工された綺麗な石器が美しい。 右上のように石錐もあり、既に道具は…

7万5千年前の石器

押圧剥離とは開拓記念館での石器つくり体験の際に体験する。 この時は鹿の角を使う。剥片を細かく整えるには石では硬くす ぎる。角は細部の加工に非常に適していた。 上手く押し付けると、都合よく剥がすことができる。深追いすると 砕いてしまったりするの…

女満別石刃鏃遺跡出土の遺物 vol4

豊里遺跡出土の円筒形石核。 こちらは円錐形石核。 豊里遺跡出土でもあり、石刃鏃文化の足跡の一つなのだろう。 おそらく白滝産。綺麗に整った黒曜石の塊。知的なカタチ。 石器つくりの体験より、この石核がいかに凄いのか少し理解で きる。これなら自分にで…

網走市立郷土博物館 【2008.11.02】 vol3

農耕機械や馬の道具類を眺めていて、中学の時の授業を思い 出す。馬具を描いた事がある。使い込まれた道具は観察する と様々な傷跡があり、物語るような迫力を感じた記憶がある。 これは馬のかんじき。明治30年頃、屯田兵が雪道で使ってい たと説明があった…

網走市立郷土博物館 【2008.11.02】 vol2

スケッチの興味から始まり、なんら知識も備えずに訪ねた 一つがここ、網走の市立郷土博物館。小さくとも充実した 展示が印象的、博物館とはこうあるべきと知らせてくれる 気の効いた場所であった。開設まで携わった人たちの熱い 心意気、想いが今も伝わるよ…

「 回転式離頭銛先」 北方民族資料館 【網走:2008.11.02】

モヨロ貝塚は大変古くから近年まで人が住んでいた場所 らしい。これはオホーツク文化の頃のものなのだろうか? 「回転式離頭銛先(Toggle Harpoon Head)」の他、 「かえり式離頭銛先(Barbed Harpoon Head)」など。 何れもモヨロ貝塚出土。 この展示はとて…

「 海獣像」 北方民族資料館 【網走:2008.11.02】

牙製海獣像(sea Mammal Figure)/湧別町川西遺跡海獣の牙で作られたらしい。牙の反り具合や太さを 活かし、その通り海獣に見える。やはり造詣は見事で 簡素なのだけれど特徴がよく捉えられている。 クマといい展示は遠目からもクマ!トド!とわかる程。 牙、…

「熊像」 北方民族資料館 【網走:2008.11.02】

骨製クマ像(Bear Fugures) /礼文島香深井A遺跡 北方民族博物館では礼文島などオホーツク文化の 展示も充実していたと記憶している。礼文島若しくは、 熊送りをネットで検索するとヒット数は恐ろしいほど。 まず何を調べたら良いのか指南が必要そうだ。 そ…

「 仮面」 北方民族資料館 【網走:2008.11.02】

ハマツァの仮面/クワキウトル/北米北西海岸仮面のコーナーにあった一つ。どこかで見たことの あるような形、とても大きく迫力ある仮面だった。 形状としいいその表情といいとても印象的だ。 ふと描き出してしまう。ただ詳細はよくわからない。 北方圏で見…

「木製桶」 北方民族資料館 【網走:2008.11.02】

イヌイトの木製桶/グリーンランド 年代を忘れてしまった。比較的新しいものかもしれない。 小ぶりの桶だったと記憶している。何やら細かな細工に 目を奪われてしばし見惚れて観察してしまった。 木の桶に骨製の装飾が施されている。特別な時に使う ものだろ…

「 針入」 北方民族資料館 【網走:2008.11.02】

イヌイットの針入れ。非常に綺麗な代物だった。その模様の 幾何学的なパターンに興味を覚え、直ぐにスケッチブックに 描き出していた。ただ案内には20Cとある。工芸品若しくは お土産品なのかもしれない。資料としては少し残念か? 後に北海道開拓記念館で…

「スクレイパー」 北方民族資料館 【網走:2008.11.02】

イヌイットのスクレイパー。実はどちらも最近、19Cのもの。先端は 鉄製。地域や時代ではなく、例えば「道具」というような分類で 展示するユニークな博物館なのだけれど、しばしば考古学的な 資料と工芸品や現代品が混同してしまう様子で、どう理解して よ…

「骨製人形」 北方民族資料館 【網走:2008.11.02】

ここの展示はとても面白い。北方地方を時代や地域ではなく 道具や衣服など別に並べ展示する。その区分はユニークで なかなか興味深く眺めることが出来る。現代の工芸品も時に 混じるので時代考証や関係性を混同してしまいそうにはなる のだけれど。 これはア…

異形環状土器 〜長沼町東6線北3号出土 【2010.06.20】

江別にある埋蔵文化財センターでこれを始めて見た時は とても驚かされた。たった一つでその場を異様な雰囲気へ 変質させてしまう土器だった。非常に大柄な印象を抱いて いたのだけれど、改めて訪ね眺めるとむしろ小柄に見えた。 ちょうど土器つくりの体験を…

七飯町歴史館 【100814】その1

以前にも載せた北海道開拓記念館で初めて見た”つまみ付ナイフ”は 鮮烈だった。石器なんて原始人が使う粗野な道具だろうという認識を 覆すに十分な存在だった。精緻で巧み、しかも美しい。以来七飯に 興味を覚えて何時かはと考えていた。 実はこの冬に一度訪…

市立函館博物館  〜縄文の至宝展〜

市立函館博物館にて催されていた縄文の至宝展を見てきた。 東北、北海道は道南の縄文遺跡より出土した遺物が展示されて いた。中空土偶をはじめたくさんの土偶の展示は驚きだった。 系統立てた分かり易い展示というよりは夏休み企画らしく、 どこかお祭りの…

南茅部

南茅部の遺跡についてその特徴を簡単にまとめ私的にメモする。■大船遺跡 大船川左岸・縄文前期末から中期の大規模な集落跡。大型竪穴住居、 盛土遺構、食糧貯蔵用フラスコ状土坑、面積は約72,000平方メートル、 1,500軒以上の竪穴住居(展示館パネルでは100軒を…

ピリカ/ピリカ旧石器文化館+石器製作跡

今金にあるピリカ、国縫から内陸へ15分ほど走らせたところに 旧石器時代の石器製作場の遺跡が残されている。今は立派な展示 施設が備わり、その展示は素晴らしく充実したものとなっている。 写真はその発掘調査現場。緑の気持ちのよい草原だ。ここは過去に …

長万部 その3 植木蒼悦記念館

■植木蒼悦記念館 http://www.town.oshamambe.lg.jp/Sections/kyoikuiinkai/culture/03.htm 植木蒼悦さんとは水墨画を描かれていた画家らしい。トップライトのある ギャラりーに水墨画は清涼感もあり心地よく包まれる印象があった。 当初は馬など様々を描かれ…

つまみ付きナイフ

初めてこの石器を見たときに感嘆した覚えがある。 巧みで精緻、整ったプロポーションに惹かれた。 石器とは尖ったものばかりかと思っていたのに、 平たい刃先と”つまみ付き”という特異な形態が 不思議だった。 ストラップでも付けオシャレをしていたのだろう…

旭川市博物館 【2008.11.01】

もう2年前となるのだけれど、ちょうどリニューアルオープンの 初日に訪ねた。ここはとても楽しい博物館であった。特に上川アイヌに的を絞った展示は地方ならでのカラーがあり 見ごたえ十分。ある地域に絞って観察することは、より深い理解に つながるのかも…

余市水産博物館 【2008.10.26】

水産博物館、ニシン漁関連の展示は多い。「何これ?」という巨大な釜、 ニシンを肥料にしたらしい。まるで湯船みたいだった。 初めての遺跡・博物巡り、最終目的地は余市水産博物館であった。 以前、休館日に来てしまったことがある。窓から見える1階の展示…

フゴッペ洞窟の岩面刻画 その2

謎は「シャーマンの・・・」という具合に「儀礼的な」と解釈されることが多い。 しかしこれは落書きではないのだろうか?率直な自分の感想です。 刻画は決して上手い絵とは思われない。壁面を埋め尽くす壮観さは黒板の落書きに 似て楽しさに溢れているような…

影像

博物館ではなく札幌は近代美術館にて。如信、覚如、善如、綽如、巧如、存如、蓮如 の影像が7枚並ぶ。構図、人物のポーズは同じ。 まるで間違い探し?の様相。袈裟の多少の違い よりも、畳の縁だけがおしゃれに異なっていた。 本願寺展より。 にほんブログ村

室蘭郷土資料館 【2010.05.05】その2

土偶などというものに北海道は縁がないものと思っていた。これは2年前に 札幌の開拓記念館で描いたもの。たくさんの土偶が北海道でも出土している。 しかも、学生時代を過ごし、縁のあった輪西の遺跡からはこのような立派な ものが。なぜか2倍サイズ!の複…

素材に拘る。  〜石刃鏃文化〜

プロフィールにも書いたのだけれど、いつしか博物館巡りが楽しい。 そう決定付けたのはこの石器と出合ったからなのだと思う。 自分は札幌の開拓記念館に良く通う。友人の友人Y氏が学芸員と 知り訪ねる。同名の別のY氏が現れ彼に縄文や旧石器時代の考古を …